家を売るための準備とは？知っておくべき方法や確認事項について解説

家を売りたいと思った際、なにから始めれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
スムーズに家を売るためには、ポイントを押さえて進めることが大切です。
そこで今回は、マイホームの売却を検討している方に向けて、家を売る準備として、方法、時期、事前の確認事項について解説します。

家を売るための準備として知っておくべきこと①：方法

マイホームを売却するにあたって、どうすれば家を売ることができるのか、その方法を知っておく必要があります。
そこでまずは、家を売るための準備として、3つの売却方法を知ることから始めましょう。
家を売る際には、以下の3つの方法があります。

●仲介
●買取
●個人売買

それぞれの方法や、メリット・デメリットについて順番に解説します。

仲介

1つ目の方法は、不動産会社の仲介によって家を売る方法です。
この方法で売る場合、不動産会社と媒介契約を結び、売却活動をおこなって買主を募ります。
物件に興味を持った方のほとんどが内見を希望されるため、売主は内見準備をおこない、立ち会うのが一般的です。
仲介のメリットは、良い条件で購入してくれる買主を選んで交渉できるため、市場相場に近い価格での売却が望める点です。
しかし、買主が現れるまで売却できません。
場合によっては、成約までに時間がかかる可能性があります。
家を売るためには、売り出してから3か月～半年程度かかるのが一般的ですが、立地条件や物件の状態によっては、それ以上かかることも珍しくありません。
したがって、売却のスケジュールに余裕がある方や、少しでも高値で売却したい方に向いている方法です。

買取

2つ目の方法は、不動産会社による買取です。
不動産会社が買主となって直接家を買い取るため、仲介のように売却活動をおこなう必要がありません。
不動産会社が提示する査定価格に納得すれば、すぐに売買契約に進むため、現金化が早い点がメリットです。
しかし、買取価格は、仲介で売る場合より安くなるのが一般的です。
したがって、早く現金化したい方や、売れにくい家を売る場合に向いている方法だといえます。

個人売買

3つ目の方法は、個人間での売買です。
不動産会社を介さずに、個人で買主を探す、もしくは知人などに売却するケースが挙げられます。
個人売買の場合、不動産会社に支払う仲介手数料がかからないため、売却時の費用を抑えられる点がメリットです。
しかし、個人で売却活動をおこなって買主を探すのは困難です。
また不動産売買は、大きなお金が動く取引であることから、不動産取引の知識がないまま進めると、あとでトラブルに発展する可能性があります。
したがって、個人売買はあまりおすすめできません。
知人などに売却する場合であっても、安全に取引をおこなうために、不動産会社にご相談ください。

家を売るための準備として知っておくべきこと②：時期

家を売るなら、少しでも早く買主を見つけ、好条件で売りたいものですよね。
そのためには、家を売る時期を見極めることも大切です。
そこで次に、家を売る準備として、売却に適した時期の見極め方について解説します。
家を売る時期を見極めるポイントは、以下の3つです。

●季節
●築年数
●税金

それぞれのポイントについて、順番に見ていきましょう。

季節

不動産取引には繁忙期があり、その季節に合わせて売り出すと、物件の情報が多くの方の目に留まり、売れやすくなります。
不動産取引の繁忙期は、4月に転勤や進学などで引っ越す方が物件を探す2月～3月で、不動産の取引件数が大幅に増えます。
物件を探している方も、4月までに引っ越しを済ませたいと考えているため、条件が合えば早期売却が望めるでしょう。
また、9月～10月も不動産取引が増える季節です。
もし春に売り出すタイミングを逃した場合は、秋まで待つのも方法の1つです。

築年数

建物には耐用年数が定められており、その年数を超えると、資産価値がほとんどなくなります。
たとえば、木造住宅の耐用年数は22年であるため、それ以上経過した家は、高値での売却が困難になるでしょう。
高値で売りたい場合は、築20年以内に売り出すことをおすすめします。

税金

家を売って利益を得ると、その利益に対し「譲渡所得税」が課されます。
譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって、以下のように異なります。

●短期譲渡所得（所有期間5年以下）：39.63％
●長期譲渡所得（所有期間5年超）：20.315％

上記からわかるように、不動産の所有期間が5年を境に、税率が大きく変わってしまうのです。
つまり、5年以下で家を売ると、5年を超えてから売る場合と比較して、2倍ほど高くなるということです。
譲渡所得税は、家を売る際にかかる税金のなかでも高額になりやすいため、税率が下がるタイミングで家を売ると、節税できます。
このように、売れやすい時期や税率が変わるタイミングなどを考慮して家を売ることで、好条件で売却できたり、税金の負担を軽減したりすることが可能になるのです。

家を売るための準備として知っておくべきこと③：事前の確認事項

家を売るためには、事前に確認しておかなければならないことがいくつかあります。
そこで最後に、事前の確認事項について解説します。
家を売るためには、以下の3つのことを事前に確認しておきましょう。

●住宅ローンの残高
●相場
●売却の期限

それぞれの確認事項について、順番に解説します。

住宅ローンの残高

住宅ローンが残っている家を売る場合、ローンの残高を確認する必要があります。
なぜなら、住宅ローンの残債がある場合は、残債を完済し、抵当権を抹消しなければ売却できないためです。
残債額が売却価格より下回っている「アンダーローン」の場合は、売却代金で完済することを前提に、通常の不動産売却の流れで売却活動をおこない、買主を探すことができます。
しかし、残債額が売却価格より上回っている「オーバーローン」の場合は、売却代金を返済に充てても完済できません。
その場合は、自己資金から不足分を捻出するか、任意売却を選択する必要があります。
このように、住宅ローンの残債額によって売却方法が変わるため、家を売る際には、事前にローン残高を確認しなければならないのです。

相場

スムーズに家を売るためには、適正な価格で売り出す必要があります。
市場相場よりかけ離れた価格で売り出しても、なかなか買主は見つかりません。
販売価格は、不動産会社が提示する査定価格をもとに設定するのが一般的ですが、売主自身も市場相場を把握しておくと、査定価格が適正かどうか判断できます。
不動産情報誌やインターネットなどで類似物件の販売価格をチェックするだけでも、相場観を掴めるため、納得した販売価格を設定するために、相場を調べておくことをおすすめします。

売却の期限

いつまでに家を売りたいのか、売却の期限を決めておくことも大切です。
先述のとおり、仲介で売却する場合は、3か月～半年ほどかかります。
しかし、転勤などで引っ越しの期限が決まっており、売却を急ぐ場合は、買取のほうが早く取引できます。
つまり、売却の期限によって売却方法が異なるため、いつまでに売りたいのかということも、事前に確認しておく必要があるのです。

まとめ

家を売る準備として、まずは売却方法の種類とそれぞれのメリット・デメリットを把握しておく必要があります。
また、売れやすい時期や節税できるタイミングなどを見極めることで、好条件での売却が望めます。
家を売る際には、住宅ローンの残高や売却期限などを事前に確認し、ご自身の状況に合った方法を選択しましょう。